黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年4月14日発売)
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本棚登録 : 5064
感想 : 382
4

「屋久島に行く前に参考図書を読んでおこう」シリーズ第三弾。
本書は屋久島(「Y島」と伏字になってはいるが)を舞台にした小説だ。

4人の男女が屋久島をハイキングしながら会話をするだけ。この辺りの手法は『夜のピクニック』と同じで、この手法は恩田陸の十八番なのかもしれない。そんなに読んでいないので何とも。
上巻下巻はそれぞれ2章立てで、4人の名前が各章のタイトルになっている。そのタイトルになっている人の語りで進行していくという、映像作品チックな作りである。

4人は学生時代の友人であり、当時の謎やら事件やら思惑を回想し究明しながら進んでいく。
会話と屋久島は関係無い筈なのだが、外界からの影響を受ける会話劇という、ちょっと考えただけで難しそうなことを極自然にやっているという感じを受ける。流石だなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2015年6月6日
読了日 : 2015年6月3日
本棚登録日 : 2015年5月22日

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