脳死、臓器移植がテーマの警察×医療ミステリ。
現在映画公開されている「ドクター・デスの遺産」と同じ<刑事犬養隼人シリーズ一作目>ということで、図書館で借りて読んでみた。
脳死や臓器移植について、賛成派、反対派などかなり切り込んだ意見描写もあり、しっかりとした社会派ミステリとなっている。
最終的に捕まえることができた犯人の動機が、あ、そっちなのね、という感じはあったものの、ウルっときてしまったラストまで飽きることなく読ませてくれた。
なかでも個人的に興味をもって読めたのが、主人公の犬養隼人刑事とバディを組む若手刑事の「古手川」刑事くん。
まだまだ若手なのに刑事としての視野っていうのかな、考え方、行動がけっこう納得できて、このキャラクターをもっと読んでみたいと思った。
ちょっと調べたところ古手川くんは埼玉県警捜査一課配属で、かなり多くの作品に登場するそうな。
初登場は「カエル男」。
本書で本人の口から語られるかなりグロテスクな経験で深い傷を心に負ったというのは、きっとこの初登場のときですね。
「カエル男」はたしか小栗旬ちゃん主演で映画になり、今もアマプラで見られるんじゃなかったかな。
そちらの評判はあまり芳しそうではないので私は未聴ですが、フレッシュ(に違いない)古手川くん会いたさに、次はさっそくその“初登場”作品を読んでみようと思っています。
◆参考◆
中山七里ワールド、たくさんあるシリーズの登場人物とリンクしている作品
https://ak0507.com/nakayamashichiri/nakayamashichiri-character-link/
====データベース=======
東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された。
やがてテレビ局に“ジャック”と名乗る犯人から声明文が送りつけられる。
その直後、今度は川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害された。
被害者2人に接点は見当たらない。
怨恨か、無差別殺人か。
捜査一課のエース犬養刑事が捜査を進めると、被害者の共通点としてある人物の名前が浮上した―。
ジャックと警察の息もつかせぬ熾烈な攻防がはじまる!
- 感想投稿日 : 2020年11月17日
- 本棚登録日 : 2020年11月17日
みんなの感想をみる