レディ・ジョーカー 下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年3月29日発売)
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本棚登録 : 2207
感想 : 191

一兆円企業を脅迫するレディジョーカー、脅される一兆円企業、事件を捜査する警察、特ダネを追う新聞社の話。
どの組織にも隠微な思惑があり、いろんな欲を持った人間がおり、様々なしがらみに縛られている。警察の動きでさえ不条理としか思えない描写に満ちていて、勧善懲悪でスッキリ解決する物語の対局にあるのが高村さんの作る物語だ。経済、株、政治、国際情勢など私にはおよそ理解が追い付かない要素が絡まってて分かりにくいことこの上ない。どの組織も、好ましく思えない部分がしっかりと描かれ、レディジョーカーが捕まって欲しいのか、欲しくないのか、わからないまま読み進めた。
そして、合田さんとお兄ちゃんのよく分からない関係を、ついに恋愛に持っていった高村さんに度肝抜かれつつ拍手しました!そっかー!まさかこんな…。結局、事件は最高レベルの大人の都合で流れていったみたいだけど、私の最大の関心の的であった人間関係が新しい形になったので、とてもよい、☆六個つけたい、単純な私の読後感でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月28日
読了日 : 2014年7月27日
本棚登録日 : 2014年7月26日

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