再読なので色々と記憶から抜け落ちていたが、あそこで終わるんだったー!というのをすっかり忘れていた。大人になってもまだ分からない部分はあるが(ウィルが自分が寝込んだ理由を悟るところなど)、ブラァンの父の過去話などは大人だからこその味わいがあった。
山と霧と風、竪琴の音が響く谷間の湖。この本で刷り込まれたウェールズのイメージは長く心に残っていた。その後エリス・ピーターズ「修道士カドフェルシリーズ」などの異なったウェールズのイメージも加わっていくのだが、ウェールズという土地とウェールズ語を認識したのは多分この本が最初。
前3作と同じく、これも予言されていた探求がテーマ。ここから最終巻に向けてウィルがだんだんと影になり目立たなくなっていくあたり、<古老>は目立たずに歴史の影にいるのが本来なのだろうとは思うが、ウィルファンとしてはちょっと寂しい。
大人目線で見てしまうと、とても魅力があるこのシリーズがいまいちブレイクしなかったのは、主役の影が薄くなっていくところにも原因があるのではないかと思う。クーパー女史は少年少女を主人公に据えつつも、取り巻く世界観の方をより描きたかったのかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー・SF小説
- 感想投稿日 : 2012年1月11日
- 読了日 : 2012年1月10日
- 本棚登録日 : 2012年1月10日
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