プレミアム戦略

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  • 東洋経済新報社 (2007年12月7日発売)
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■大前提:社会の成熟化に伴い、大量生産・大量消費の経済から、プレミアムなスマートな消費へと変化した。

■プレミアムとは
・「プレミアム」とはプラスαの価値。プラスαの価値は「機能的価値」「情緒的価値」の2つから構成される。
①機能的価値
・消費者が商品やサービスから享受する本来的な価値の部分。
→作り手の主観から生まれる、レベルの違う上質感を提供しなければならない。
②情緒的価値
・その商品を手にすることによる精神的な満足、オーナーとしての誇り、作り手に対する共感などの部分。
→ストーリーを紡ぎ、共感してもらうことが必須。

■価格
・作り手の論理で決定すべきもの
・フラッグシップモデルで頂点価格を決める。
→フラッグシップというスーパープレミアムがあるからこそ、手ごろなプレミアムの価格帯の値付けが可能になる。

■戦略を考える上での前提
プレミアムというのは差別化戦略ではなく、「プレミアム・ニッチ」という隙間を狙う集中戦略。
ニッチ戦略を成立させるための3つの要素は以下。
①たくさん売ろうとしない:販売チャネルは限定する
②「カスタマー」ではなく「ファン」を作る:作り手の主観を受け入れてくれる人(ファン)を作る
③「マーケティング」ではなく「ストーリーテリング」

■戦略の8つの原則
以下の要素を外さない
①「作り手の主観」こそがプレミアムの命
②常に「モダン」であり続けること(原点は残しつつ進化を続ける)
③派手な広告・宣伝はしない(本物は派手な宣伝をしなくても、わかる人にはわかる)
④飢餓感・枯渇感を醸成する(大衆化せず、希少化する)
⑤安易な拡張は行わない(下手に中価格のブランド展開をしない)
⑥チャネルを絞り込む
⑦細部にこだわる(例えば包装、店舗のデザイン、店員の制服など、顧客の目に触れる全てにおいても、一貫性と完璧性を追求すべき)
⑧グローバルを目指す

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: TP
感想投稿日 : 2018年3月29日
読了日 : 2018年3月29日
本棚登録日 : 2018年3月29日

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