仕事で成果を上げるには、問題を解くことよりも、“正しい問題設定”が大切!BCG流の問題設定の技術を紹介する書籍
問題の設定を間違えていると、その問題を解いても成果は得られない。ゆえに、真の問題を見つけることが重要になる。
この真の問題を「論点」、そして論点を設定するプロセスを「論点思考」と呼ぶ。
論点思考では、次の4つのステップを踏む。
(1)論点候補を拾い出す
(2)論点を絞り込む
(3)論点を確定する
(4)全体像で確認する
ただし、常にこれら全てを行うわけではない。時と場合に応じて、必要なステップのいくつかを使う。また、順番も行ったり来たりする。
論点を拾い出す際は、問題(現象や観察事実)を論点と間違えないようにする。現象の奥に潜む真の問題に気づくことが大事だ。
論点を絞り込む際のポイントは、次の2つである。
①経験などに基づいて、当たりをつける。
魚釣りをする時、釣り人は経験に基づく判断によって釣り場を決める。この辺りには魚がいそうだなどと判断しつつ、釣り場を特定していく。
このアプローチは、前著『仮説思考』で提唱した仮説思考そのものだ。
②容易に実行でき、実行すると効果が大きいものを選ぶ。
筋の善し悪しの1つの基準は、オプション(選択肢)の数が多いか少ないか、あるいはそのオプションを選択した場合の成功の可能性やリターンが大きいかどうかである。
論点を設定していく過程では、これが論点ではないかという仮説を立てる。その方法には
①質問して相手の話を聞く
②自分の仮説の論点を相手にぶつけて反応を見る
多くのビジネスパーソンは、与えられた論点にすぐに着手する。上司に「なぜこれをやるのか」「目的は何か」などと聞くことはあまりない。
だが、実は上司も論点が明確でないまま、部下に仕事を振り分けるケースがある。従って、課題が指示された段階で、質問や仮説をぶつけ、上司の論点を明確にする作業は重要である。
③現場を見る
の3つがある。
論点を設定する際は、問題解決を頼んだ人がこの問題をどうしたいと思っているのか、その真意を理解する必要がある。
例えば、「部内を活性化する」という同じ目的を持つ2人の部長がいたとする。
1人は、純粋に会社を良くしたいとの気持ちから活性化を望んでいる。その場合の論点は「組織の活性化」であり、目的と同じだ。
もう1人は、出世して役員になりたいという動機から、部内を活性化して成績アップを図りたいと考えている。この場合の論点は、自分の部署の成績を上げること、さらにいえば自分の出世だ。
このように、2人の部長から同じ指示が出たとしても、裏側に込められた意味は全く違う。論点を設定する際にはそこまで考えるべきだ。
論点が浮かび上がってきたら、それを整理、構造化する。その方法は自分なりのやり方でよい。
仕事では、全体像をきちんと理解して、自分のやる仕事は「これ」と見極めることが重要だ。ゆえにビジネスパーソンは、“上位の論点”を意識する姿勢を常に持つべきである。
与えられた論点とその下位の論点に目を向けるのではなく、より上位の論点を考えることで、与えられた論点の解き方も変わってくる。
通常紹介されている方法論は、まず課題を構造化し、全体像をつかむことを最優先している。次に、個別の課題の因果関係を明らかにして、それぞれの問題の解決法を考えていく。
BCG流のアプローチは、まず、これが問題ではないかという点に当たりをつけることから始める。次にそれについて、経営者の話を聞いたり、現場を見たりすることで検証する。そして最後に、間違いがないかを全体像で確認する。
- 感想投稿日 : 2022年8月13日
- 読了日 : 2022年3月21日
- 本棚登録日 : 2022年3月21日
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