ギュスターヴ・ドレの版画に、簡潔な解説を組み合わせた、十字軍絵巻。一通り重要なイベントはカバーしています。見開きに1エピソードで、それが何処で起きたのかを示す地図もあって便利。この著作は、これから出版される十字軍物語4部作の巻頭、オペラで言えば序曲にあたるものらしい。壮大な物語がはじまりそうな、期待感が湧いてきます。とは言え、この本単独で見れば、少し説明が足りずにもどかしい箇所もあります。ページをめくってイメージを作りながら、これから詳しく語られる物語を楽しみに待ちましょう。
もともとこの挿絵は、19世紀前半のフランソワ・ミショーの「十字軍の歴史」に、19世紀後半になってつけられたものとのこと。私がギュスターヴ・ドレに出会ったのは、旧約・新約の聖書物語でした。ドレの挿絵というだけでも買う価値があると思うくらい、この絵は美しい。臨場感のある壮大な構図、緻密に尽くされた技巧。この本の良いところは、挿絵が主役で、説明が必要以上にでしゃばらないところかも知れません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
世界史
- 感想投稿日 : 2010年8月29日
- 読了日 : 2010年8月15日
- 本棚登録日 : 2010年8月15日
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