ブッデンブローク家の人びと 上 (岩波文庫 赤 433-1)

  • 岩波書店 (1969年9月16日発売)
3.94
  • (22)
  • (20)
  • (23)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 493
感想 : 23

2021/8/29

夫との別離を機に「人生の常で…」という言葉を発するようになったトーニ。ひとまず上巻の一連の出来事はこの一言に集約されるように思える。栄華を極めながらもときに取り返しのつかない悲劇に見舞われる。その一方では別の商会が頭角を現す。インテリ医学生に恋をしたかと思えば、直後には嫌いなオッサンと結婚する。人生の浮き沈みは為替のように変動する。

トーニはその法則を、「人生の常で…」という言葉で正面から受け止めていく。コンズルの方はというと、それを信仰心をもって受け止めていく。両者は奇しくも、東西の仏教観とキリスト教観を表しているよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月29日
読了日 : 2021年8月29日
本棚登録日 : 2021年8月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする