『モモ』のエンデの作品だが、あまり知られていないのではないかな・・・? 少なくとも私は知らなかった。下の子のブッククラブで送られてきた本。
シリーズもので全2巻の2冊目。1冊目もやはりブッククラブで送ってもらっていたのだが、読み聞かせしていたものの、途中を娘が先に読んでしまったりして、私はまだら読み。
こちらは全部読み聞かせできたので、この巻をアップすることにします。
小さな国に住む、機関士ルーカスと少年ジム・ボタン、そして彼らの機関車の冒険譚である。
まずは、作者の想像力の豊かさと骨太な構想力に唸らされる。
登場人物たちは、中年の機関士や黒人の孤児、アジアの小さなお姫さま、緑の人魚、その亀の婚約者(そして2人とも1万歳)など、バラエティに富んでおり、ステレオタイプでない。ある意味、ポリティカリー・コレクトにすら感じられる。
また、すべての鉄を引き寄せてしまう磁鉄岩やそれから作った<永久機関>、「世界の頂」の空気の薄さなど、不思議な世界でありつつも、描写に圧倒的なリアリティがある。
終盤近くなって明かされるジムの出自は壮大で、「ええええ、そう来るか!?」とかなり驚いた。
こんなにスケールが大きいのに、最後には穏やかな大団円。
不思議な味わいのある、読みごたえたっぷりの本だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2011年6月18日
- 読了日 : 2011年5月19日
- 本棚登録日 : 2011年6月18日
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