横浜駅SF (カドカワBOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA (2016年12月24日発売)
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感想 : 174
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数百年後(1千年位?)の未来、自ら拡張機能を有した横浜駅は本州の殆どを覆いつくし四国も侵略し、更に北海道・九州への進出を目指していた。JR北海道とJR九州はそれぞれ独自に対横浜駅戦を展開している。
宇宙開発や人口衛星、リニアなどの技術は高度文明時代のものとして既にほぼ消失。遺構となり一般には忘れ去られている。
日本人は横浜駅が自動生産する食料・生活物資に依存するエキナカの人、横浜駅から廃棄される物に殆ど依存しているsuica認証を体内に保持していない駅外の人。そして組織的な状態を保ち、横浜駅進行を食い止めている北海道・九州の人。それと横浜駅の侵攻を防げず、無政府状態となった四国の人に分けられている。
そんな中、横浜駅による日本完全支配を阻止しようとする人達の活動を描いたSFである。
開設以来現在に至るまで、延々と改良工事をやり続けている横浜駅が、このように進化(構造遺伝界や脅威の自動改札やその進化の過程で名残として残された赤外線カメラ・・・)する設定も、未来に引き継がれた名称や技術などは、読んでいて楽しい。かつて無い世界観が表現されており、実に面白かった。
実は横浜駅は腐海で、何かを浄化しているのかと勝手に想像していましたが…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年3月17日
読了日 : 2017年3月14日
本棚登録日 : 2017年1月7日

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