地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)

著者 :
  • 技術評論社 (2011年11月1日発売)
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感想 : 59

日経ビジネスオンラインに連載されている、「ア・ピース・オブ・警句」の単行本。小田嶋氏は私的には勝谷氏を抜き、今一番確かなというか共感できるコラムニストである。この単行本は主に3.11大震災にまつわるコラムが纏められている様だ。この震災も原発の問題が発生しなければ、だいぶ様相が違っていただろう。これからも原発は放射線を出し続け、コストを積み上げていくのだろう。現時点でも既に天然ガスとほぼ同じ発電コストになってしまった。九州電力やらせメール事件では、九電社員の絶望的な無能さを嘆き、原発推進派の読売新聞が、原発は核兵器の代替施設であるから、国防上の観点から今後も必要不可欠だと社説でのたまった事については、その姿勢を糾弾する。著者のコラムは公平かつ的確だ。これからも活躍して頂きたい。
追記(3/19) とある投資情報サイトより・・・
既に東京電力は、柏崎苅場原発を再稼動できないなら大幅な値上げをすると、国民に対し脅しをかけている。原発にそこまで固執するのは、そこにとてつもない大きな利権が存在するからとしか考えられない。以下は、とある株式投資情報サイトからの転載である。
ニュースで報じられることはありませんが、福島第1原発の敷地は元々「標高35メートル」でした。それを25メートルも削って「標高10メートル」にしました。米国から輸入した原子炉(GE社製)は冷却ポンプが10メートルの高さまでしか水をくみ上げられなかった為、敷地を標高10メートルに下げたわけです。出来合いタイプ(Ready-made)と呼ばれる原子炉でポンプの設計変更は基本的に不可能とされました。
最大限の安全性に考慮して建設されるはずの原発ですが…。どういう訳か、米国のGEと東京電力の契約は『ターン・キー契約』。これも東電の“随意契約”につながる体質です。まさにお役所仕事ではないでしょうか。
当時GE社は同じ原子炉をスペインに納入したばかりで量産タイプの原子炉でした。福島にも同じタイプのものをそのまま流用すれば大幅にコストダウンができたわけです。設計から建造まで、全てメーカーに任せるまる投げの契約。GEとの契約が優先されたのか?安全に留意して他の原子炉を導入するよりも標高を25m削った方が安いと東電側が判断したのか?その辺りは判然としませんが…。
福島第1原発を襲った津波の高さは「13.1m」。敷地を「10m」に削り、しかもさらに間の悪いことに原子炉の『非常用電源』は海側の低い位置にあったようです。事故後に東電は津波の規模が想定外だったことが最大の原因と述べていますが、明らかに“東電の安全体制に”不備があったからこその事故と思えてなりません。(転載おわり)
まさに許されない東電の不手際だ。このような重大な事実が報道されないのは黙っていられない。皆が知れば世の中を動かせるのだが・・・

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年1月19日
読了日 : 2012年1月24日
本棚登録日 : 2012年1月24日

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