地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)

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著者 : 小田嶋隆
  • 技術評論社 (2011年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774148700

地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)の感想・レビュー・書評

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  • 著者の文章はあちこちで目にしてきたが、まとめて読むのは初めて。なるほどなあと思うところがいろいろあって、面白く読んだ。

    3.11を挟んでウェブ上で連載されていたということで、当然震災・原発関係のコラムがある。これが独特の視点で読みごたえがあった。特に原発を「マッチョ」という切り口でとらえたものなど、言われてみればそうだなあとうなずくことしきり。圧倒的なパワーを持つものに対して、「すげー」と無条件に思ってしまう心情は(男性ほどではないと思うが)分かるように思う。何かにつけ「マッチョ」は抵抗すべき「敵」だと思うことが多い昨今、いろいろ腑に落ちたのであった。

    「言論弾圧」についての意見も共感できるものだ。それは今の社会では「なんとなく面倒くさい」という形で現れる、というのはまったくその通りだと思う。実生活で、ネット上で、「これを言ったらうっとうしいことになりそうだな」と思って言わないでおく、ということがどんどん増えていると思う。自分としてはごく当たり前のことを言おうとするのに、地雷を踏んで炎上する覚悟が要求される。ああ煩わしい、というのが普通の感覚だろう。
    「結果として、それらの問題を面倒くさくしている勢力に荷担することにつながる」「誰かが地雷を踏みに行かないと、議論が死ぬ」
    こういうスタンスは、社会について発言する書き手として、いたって真っ当なものだと思う。

    あと一つ、全く同感だと思ったのは、教育について述べられた中での次のくだり。
    「個性を尊重するということは、言葉を換えて言えば寛大さのことだ」
    本当にそうだ。すごく難しいことだけど。

  • 面白かった。迷いや恐れも含めて率直な意見が綴られていると感じた。表現も楽しい。笑えるって本当に大事。

  • これは最高に愉快な本だ。ぜひ一読をお勧めする。でも、いつもぼくが考えていることと同じ内容なので新しい知見はひとつもない。それでもとても快適な読書になるのは、著者の例え話があまりに秀逸な為である。内容じゃない。文章なのだ。ASYLの表紙ももちろん素晴らしい。面食いのぼくとしては表紙は大事なのだ。あと、編集のコラムの順序の配慮が素晴らしいと個人的には思いました。

  • 本文は言わずもがな、氏の真骨頂は「あとがき」にあるかも

  •  詳細なレビューはこちらです↓
    http://maemuki-blog.com/?p=9288

  • 半分ほどは震災のネタだが、今となってはやや薄れてしまった記憶もあり、当時の記録としても貴重。
    相変わらず鋭い着眼点でコラムを書いており、東京電力や九州電力への言い方は流石の一言。
    オダジマさんはtwitterで見て興味を持ち、本書を読んでみたが、他の著書も読んでみたくなった。

  • 日経ビジネスオンラインに連載されている、「ア・ピース・オブ・警句」の単行本。小田嶋氏は私的には勝谷氏を抜き、今一番確かなというか共感できるコラムニストである。この単行本は主に3.11大震災にまつわるコラムが纏められている様だ。この震災も原発の問題が発生しなければ、だいぶ様相が違っていただろう。これからも原発は放射線を出し続け、コストを積み上げていくのだろう。現時点でも既に天然ガスとほぼ同じ発電コストになってしまった。九州電力やらせメール事件では、九電社員の絶望的な無能さを嘆き、原発推進派の読売新聞が、原発は核兵器の代替施設であるから、国防上の観点から今後も必要不可欠だと社説でのたまった事については、その姿勢を糾弾する。著者のコラムは公平かつ的確だ。これからも活躍して頂きたい。
    追記(3/19) とある投資情報サイトより・・・
    既に東京電力は、柏崎苅場原発を再稼動できないなら大幅な値上げをすると、国民に対し脅しをかけている。原発にそこまで固執するのは、そこにとてつもない大きな利権が存在するからとしか考えられない。以下は、とある株式投資情報サイトからの転載である。
    ニュースで報じられることはありませんが、福島第1原発の敷地は元々「標高35メートル」でした。それを25メートルも削って「標高10メートル」にしました。米国から輸入した原子炉(GE社製)は冷却ポンプが10メートルの高さまでしか水をくみ上げられなかった為、敷地を標高10メートルに下げたわけです。出来合いタイプ(Ready-made)と呼ばれる原子炉でポンプの設計変更は基本的に不可能とされました。
    最大限の安全性に考慮して建設されるはずの原発ですが…。どういう訳か、米国のGEと東京電力の契約は『ターン・キー契約』。これも東電の“随意契約”につながる体質です。まさにお役所仕事ではないでしょうか。
    当時GE社は同じ原子炉をスペインに納入したばかりで量産タイプの原子炉でした。福島にも同じタイプのものをそのまま流用すれば大幅にコストダウンができたわけです。設計から建造まで、全てメーカーに任せるまる投げの契約。GEとの契約が優先されたのか?安全に留意して他の原子炉を導入するよりも標高を25m削った方が安いと東電側が判断したのか?その辺りは判然としませんが…。
    福島第1原発を襲った津波の高さは「13.1m」。敷地を「10m」に削り、しかもさらに間の悪いことに原子炉の『非常用電源』は海側の低い位置にあったようです。事故後に東電は津波の規模が想定外だったことが最大の原因と述べていますが、明らかに“東電の安全体制に”不備があったからこその事故と思えてなりません。(転載おわり)
    まさに許されない東電の不手際だ。このような重大な事実が報道されないのは黙っていられない。皆が知れば世の中を動かせるのだが・・・

  • 安藤美姫についてのコラムを読んで面白いと思ったので、手に取ってみた。
    本書は3分の2以上が震災後の記事なので、当然ながら震災に関する記事が大半を占めていた。
    3年前のことを思い出して神妙な気持ちになりつつも、今読むとどうしても爆笑してしまう、可笑しさ。
    未曽有の大震災にあっても、後から考えると滑稽と思える行動をとっていた人がこんなにも沢山いたのか、という事実に改めて驚愕した。

  • 東日本大震災直後のエッセイからは当時うろたえていた自分を思い出させられる。筆者をしてやはりあの経験は、いつもどおり軽快に捌けるようなテーマではなかったということが、妙に厚ぼったい文章から感じられる。

    格差社会について語るエッセイにいいことが書いてあった。
    「叩き上げの勝利者や、成り上がりの成功者は、往々にして、生まれつきのお坊ちゃまより残酷になる。というのも、彼を上昇せしめたのは、自らのスパルタンな精神性と努力であって、決して運やめぐり合わせではないと、少なくとも本人はそう信じ込んでいるからだ。とすれば、彼の目から見て、他人の貧困はもろな自己責任であり、他社の不運や不幸は努力不足以外の何物でもないということになる。
    彼らの主張は、煎じ詰めれば「オレを見習え」ということに尽きている。実際、その種の経済人の著書を読むとはじめから最後まで、『オレを見ろ』という以外のことは何も書かれていない。」p197

  • 社会への違和感がミルフィーユだったとして(ちがうけどね。)その一段一段重なったデリケートなパイ生地を上手に剥がしてくれるような。
    あとは書き手としての視点の据え方の妙。展開されるひとりつっこみが気持ち悪くないのも、自分を含めた世界をさらに書き手として見ている、ポジショニングの賜物なんだろうな、と。
    で、ここまでは他の著書でも一緒なんだけど、この本が違うのは、元の連載の、震災直後から続く何本かが採録されているところ。確固たる立ち位置が、テキストの軽妙な息遣いが、どうしたって世界の方へと絡め取られようとする中で書かれた、幾つかのコラム。その逡巡に書き手としてのドラマを見た気がする。闘い、というか。凄い。

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地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)の作品紹介

東電も保安院も復興会議もネトウヨもナデ斬り!3.11大震災以降「言論の地雷」を踏み続け、そのチャレンジングな姿勢で大喝采を浴びた、日経ビジネスオンラインの超人気連載、待望の単行本化。

地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)はこんな本です

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