世界は密室でできている。 (講談社ノベルス マG- 3)

著者 :
  • 講談社 (2002年4月1日発売)
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どうでもいいよとばかりに解決されていく密室トリック。それでもルンババは密室に没頭していて、友紀夫は全然興味ないようで。結局、友紀夫は密室を解くのが怖かったのかもしれない。ルンババも、密室を解いているようで、それは密室を作るためだったのかもしれない。榎は姉が死んでから人が変わったようにまともになってしまった。でも、榎は最初から姉のまともな部分を一手に引き受けていたのだから、まともになったくらいで魅力を失ったりしない。椿は最終的に自分の望んでいたものが再生だったと気づいたから、光緒との別れを選択した。そんなのは悲しすぎる。不倫相手から嬲り殺されるだけでは足りず、恋人からの復讐にさえも耐え忍ばなければならなかったのだから。再生したのは三郎なのだろうか。それとも榎なのだろうか。家族愛は家族なしで成り立つものなんだって、そう主張せざるをえないのではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年10月5日
読了日 : 2014年10月4日
本棚登録日 : 2014年10月3日

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