量子論の基礎: その本質のやさしい理解のために (新物理学ライブラリ 別巻2)

著者 :
  • サイエンス社 (2004年4月25日発売)
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本棚登録 : 315
感想 : 26
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この内容とこの情報量でこの値段!?って驚くほどの良書。量子力学をある程度数学的にもきちんと学びたい、ただし、数学的知識は理工系の教養課程程度ぐらいの知識しかない、などという人にうってつけの書。私はこの本を読んでようやく量子力学がある程度わかったような気がした。欠点を挙げるなら、この本は数学的すぎるぐらいの印象を受ける点と、通常の量子力学の教科書ならほぼ必ず書いてある水素原子の波動関数などの記述がほぼ無いことであろうか。このため、量子力学の数学的構造を基礎から学ぶには良いが、量子化学などで必要となる水素原子の波動関数の解などについては、他書を読まねばならないことになる。が、この本を読む前までは、『量子力学とは水素原子の波動関数が求められる理論だ!』ぐらいの感覚だったのが、この本を読むことによってイメージが変わった点は大きい。ベルの不等式について詳しく説明されているのもこの書の特徴の一つだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 量子論・量子力学
感想投稿日 : 2014年8月10日
読了日 : 2014年8月10日
本棚登録日 : 2014年8月10日

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