6巻は、後に「ドリーム・サイクル」と呼ばれる世界観に統合されるものを舞台やネタにした作品を収録。
そして、クトゥルフ神話とドリーム・サイクルの世界観を統合した、前期ラヴクラフト神話の集大成とも言うべきファンタジー大作『未知なるカダスを夢に求めて』。夢の世界で苦しみながらも自由に大冒険を繰り広げるというヤングアダルト的なその内容は、ラヴクラフトの当時の状況を知ると、以前の苦境から解放されたであろう彼の心境を表していると、どうしても勘ぐってしまう。
【アザトース、異形の神の幼生、下級の異形の神たち(蕃神)、バステト、ノーデンス、ニャルラトホテプ(暗黒のファラオ)、ロビグス】
《ズーグ族、ノフ=ケー(グノフケー)、夜鬼(ナイトゴーント)、食屍鬼(グール)、ドール、ガグ、ガスト、月棲獣(ムーン=ビースト)(蟇じみた月の生物)、シャンタク鳥、飛行するポリプ、レンの男、レンのクモ》
(収録されている一編、邦題の『蕃神』は端的に言うと「渡来神」。原題の『The Other Gods』を直訳すると「(他の、もう一つの、向こう側の、過去の、)神々」。素直に受け取るなら外なる神、または旧支配者を指すと思われるが、正体はやはり這い寄る混沌とその下につく存在なのか。)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本#933:クトゥルフ神話
- 感想投稿日 : 2020年3月15日
- 読了日 : 2020年3月15日
- 本棚登録日 : 2020年3月15日
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