きりこについて

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2009年4月29日発売)
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本棚登録 : 1984
感想 : 390
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「きりこは、ぶすである。」
いきなりそうきますか!!

他人がどう思おうが、心から可愛いと褒め、愛してくれるパァパとマァマ。
人間の言葉を理解し、いつもそばに寄り添い見守ってくれる猫、ラムセス2世とともに成長していくきりこ。

容れ物と中身すべてひっくるめて自分なのだと気づくまで、
そして、ただそこに存在するだけの自分を、あるがまま受け入れることの、なんて難しいことか…

自分のしたいことをかなえてあげられるのは自分だけ、
着たい服をきて、自分らしく生きていく。
そこに気づけたきりこは素晴らしい。
だから”ぶす”なんかじゃない。
猫の目から見た人間の愚かしさこそが”ぶす”なんだから。

そして猫は偉大だ。
うちの猫と暮していた頃「この子達、本当は全部わかっているんじゃないの?」って思うことがよくありました。
やっぱり、そうだったんだね~。

”死ぬまで生きた”ラムセス2世に一言お伝えしたい。
これを読んだ私は、人間が世界で一番優れているなどという愚かな考えは、決して持っていないよ。
ことわざにしても、そう言われれば「なんて失礼な!」(笑)
願わくば、おぼんさんのような長老になって欲しかったけど、
また、健康で聡明な猫として何千回も何万回も生まれ変わるらしいので楽しみにしているね。

これから黒猫ちゃんを見かける度「ラムセス2世~」って呼びかけちゃいそうです。(笑)
「世界は、肉球よりも、まるい」うん!うん!そうだね♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: な行
感想投稿日 : 2015年4月19日
読了日 : 2015年4月19日
本棚登録日 : 2015年4月19日

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