向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年7月29日発売)
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本棚登録 : 31490
感想 : 3547
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『正解が見えてこない』

読んでいて感じたのはこれである。
ページを捲るたびに衝撃を受け続ける作品であり、猜疑心を持たずに挑んだ私を見事にひっくり返してくれた。

本作は、「クラスメイトが首を吊っているのを発見する」ところからはじまる。
これだけでもかなりの衝撃を受けるのだが、その後も「そんなの誰が予想出来るんだ…」と思うような展開が続く。

ただ、進む度にちょっとした違和感を持つところはある。しかし、それが何なのかに最後まで気付くことは出来なかった。
とにかく言葉のトリックが凄い作者であり、散らばっているヒントを上手く隠している。

しかし、他の方も仰っているように、かなり賛否両論の分かれる作品ではある。
ところによっては、かなり残酷な表現をされている場面がある為、どうしても読む人を選んでしまうだろう。

色々な評価がある中ではあるが、私はこの作品をかなり気に入っている。
最後まで抜け切らない陰湿さを感じてみたいと思う人にオススメな一作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月29日
読了日 : 2024年2月28日
本棚登録日 : 2024年2月19日

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