夢中で読んでいる。数学が永遠を追究する学問であることを再確認(数学と、その他の科学との違いが随所で強調される)。時代を経るにつれて抽象化されていくプロセスが刺激的(フーリエによって対数関数と正弦波が結びつけられたことや、リーマンがζ関数と格闘するくだり。など)
また、独学者ラマヌジャンの、短いけれども濃密な人生にも感動。オイラー、ガウス、リーマン、ヒルベルト、ミンコフスキー、ロバチェフスキーなどの錚々たる人物たちが素数という主題のもとに繋がっていく。本書は、素数を主題にしながらも、同時に数学史としても読める。恥ずかしながら、複素数とは何か、高校生以来、初めて腑に落ちて理解できた。学生時代、数学の先生がやたらと「ガウス、ガウス」と言っていた理由も、よくわかった。
それにしても、音楽の比喩が卓抜だ。音楽は理性と感性を同時に包括する。ばからしい感想かもしれないけれど、数学の目指すべきイデアが、本書を読みながら「音楽」であるような気がしてきた。どこまでも論理的で、なおかつ美しい存在。詩は数学に嫉妬すべきなのか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
数学
- 感想投稿日 : 2015年10月11日
- 読了日 : 2019年1月18日
- 本棚登録日 : 2015年10月3日
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