少しずつ少しずつ、異界に入り込んでいく感じが、しかし完全に現実から遊離していかないところがスリリング。
例えば穴。アリスの穴は、底深く、ゆっくりと落ちていく。けれども本作の得体の知れない獣が掘った穴は、「底」が知れている。別世界に行きそうで行かない。ところが、別世界はすでに始まっている、「私」が、陶器の人形みたいな夫と結婚した時点で。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・詩
- 感想投稿日 : 2014年3月7日
- 読了日 : 2014年3月7日
- 本棚登録日 : 2014年3月7日
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