狂気と正常、生と死の境界が曖昧になる瞬間のカタルシス、官能と言ったらない。それが動物界か、それとも神の世界かはわからないけれど、少なくとも人間界を束の間超脱したような恍惚を味わった。
社会権力から見れば(ましてや戦時下の)、それは紛れもない退廃、許すべからざる退廃。けれどもこの読書体験を通じて、その退廃に至る過程が一言で掬いとれるものでは到底ないことを知る読者にとっては、それが輝かしい退廃であるようにも見える。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・詩
- 感想投稿日 : 2014年7月8日
- 読了日 : 2014年7月7日
- 本棚登録日 : 2014年6月12日
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