ふうぅ。。。ようやく読み終えた。
つまらなかったわけではない。逆にその圧倒的な語りに魅了されて、疲れた、良い疲労だ。ただ字面を追うことを許さない物語。
とにかく、あまりに多くの人物が登場する。そしてあまりに多くの人物が死ぬ。諸行無常、盛者必衰では片付けられないドラマがここにはある。ありすぎる。
そして、当時の日本列島に生きた人々の行動原理の合理性と不条理とが現在まで継承されていることに、ぞっとさせられもした。例えば、恥をかかないために自害するという文化。これは武家の文化。一方、そそくさと鞍馬へ逃げ出す後白河上皇の、これはこれで微笑ましい、公家の文化。
国籍は問わず、日本に長く暮らしている人の意識の中では、ひそかにこの相反する文化が同居し、いまもなおせめぎあっているのではないかと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・詩
- 感想投稿日 : 2020年5月30日
- 読了日 : 2020年5月30日
- 本棚登録日 : 2020年5月26日
みんなの感想をみる