動物と話せるローレンツさんの動物愛あふれる本。
動物行動学の古典と聞いて身構えている人ほど読んでほしい。絵がかわいい。登場する鳥たちがかわいい。鳥派の必読図書。アクアリウムを作りたくなる。ハムスターを飼いたくなる。研究が進んだ今、ローレンツの考えには訂正されている部分もあるようだが、それでこの本の価値が落ちることはない。
動物の擬人化について考えさせられることもあった。いかにフィクションであるといっても、その動物の本来の姿を歪めないこと。確かに芸術だから(つまり事実ではない部分があるという前提の上で)できる擬人化もあるが、それがやはり事実とかけ離れていたり誤解を招くような描写だったりするのは、将来の動物好きを育てるのにはよくないだろう。ローレンツが「ニルスのふしぎな旅」の鳥の描写に惹かれたように、優れた観察者による魅力的で長生きする擬人化こそ、動植物に親しむ未来の科学者の導き手になるのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
48: 動物学
- 感想投稿日 : 2021年6月21日
- 読了日 : 2021年6月20日
- 本棚登録日 : 2021年6月20日
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