何の予備知識もなく観た。
最初から感じてたこの緩やかなのに不穏な空気の漂いが、ジョンがひとりで涙を流すシーンでバッドエンドへの確信に変わった。これ最後死ぬんじゃないの?と。ふたりがライフルを手にした後は、あの乱射事件のことなのだと認識した。
カメラはひたすら前から、もしくは、ひたすら後ろを追うか、ばかり。ある人物に焦点を当てていても、外野もすべてスポットが当てられている。そういう見逃せないつくりになっていた。だって各人が主人公であったから。どこかで見たことある目をした子たちばかりが、そこにいた。その目を自分は知っていた。何しろその目をしていたのは、他でもないかつての自分なのである。計算しつくされて作られたことがわかった。
ジョンとイーライが出会う場面が視点を変えて3回ほど繰り返される。ここが基点となった。思春期の何でもない悩みが当時どれだけ針の立つような痛みだったのか、それを思い出す。一歩間違えば、こんなにも繊細で脆くてぼろぼろに、粉々に剥がれ落ちてしまうものだったんだと。
月光ソナタとエリーゼがこんなにはまってしまうなんて。これも即興と知ってびっくり。
観終わったら、時計が午前0時を告げた。
(20131127)
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- 感想投稿日 : 2013年11月28日
- 読了日 : 2013年11月27日
- 本棚登録日 : 2013年6月19日
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