悲しみの歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1981年6月29日発売)
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感想 : 119
5

悲しかった。
苦しい時代を生きてきた人、病気で苦しんでいる人、そういった人たちの悲しみを、私達みたいな若造には理解しきれないことが悲しかった。
若造は色んなことに対して勝手な思い込みを持つことが多くて、さらに妙な自信があることが多い。自分も、まさにその若造なんだろうなぁと思った。

勝呂さんのおもいとか、癌のお爺ちゃんの気持ちとか、わかったつもりでいるけど、22歳の自分には伝わりきってないのかな、やっぱり。
50何歳かのときに遠藤周作が書いたらしいから、同じくらいの歳になったらまた読みたい。

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p.330
ガストンは哀しそうな微笑を浮かべてうなずいた。彼はさっきから前に歩いている勝呂の背中がひどく孤独なのに気づいていた。顔はどんなに笑っていても、人間の無防備な背中はその人の心をそのまま現すものなのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月5日
読了日 : 2013年2月5日
本棚登録日 : 2013年2月5日

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