ワールズ・エンド(世界の果て) (村上春樹翻訳ライブラリー t- 1)

  • 中央公論新社 (2007年11月1日発売)
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感想 : 36
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文学ラジオ空飛び猫たち第12回「ワールズ・エンド(世界の果て)」ポール・セロー著 ~異国の地、居心地の悪い場所~

ダイチ
個人的にはめちゃくちゃ好物な小説。これだけ居心地の悪さをリアルに描ける技量がすごくてはまってしまいました。決してハッピーではない複雑な感情を味合わせてくれるのが小説だと思うし、苦々しく切なく終るところが本当にいいです。
ハッピーエンドな終わり方を小説に求める人には合わないかもしれないです。妙にリアルに、どこか何かに対して居心地の悪さを感じていて、言葉にできない人には共感できるところがあると思います。この感じ、わかる!ってなるかもしれないです。異国ではなくとも、居心地の悪い場所というのは実生活のなか結構あるものだと思います。

ミエ
不思議な魅力がある小説です。読みやすいし、おもしろいし、でもハッピーな話ではない。社会の不都合な部分を書いているのにやけに爽やか。絶望的な話が多いけど、そんな世界を魅力的に思えました。村上春樹さんのあとがきを読むと、ポール・セローが異国を旅する中で実際に体験したことも書いているそうです。やはり異国であったり、未知の世界を教えてくれる小説はおもしろい。
ハッピーエンドではないですが、心に残る小説だと思います。でもラジオで取り上げた『ワールズ・エンド』にしても『緑したたる島』にしても、良くも悪くも人間らしさのある主人公に愛着を持つのではないかと思います。あっさり読めるけど、すぐには忘れられない小説です。

ラジオはこちらから↓
https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/12-eiqrqv

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学ラジオ空飛び猫たち
感想投稿日 : 2021年12月20日
読了日 : 2021年12月20日
本棚登録日 : 2021年12月20日

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