体験に基づくルポなので、よりリアルに近く、臨場感がある。貧困について、しかし生きることへの逞しさ、または人間の支配における露骨な構図が綴られる。
近代兵器をもってすれば、非文明国を支配するのは容易だ。民間レベルで考えても、国家警察が機能しないなら、暴力や組織が力を振るい、弱者を支配する。治安が悪ければ、この原始的な支配体系が成立しやすくなる。回避策は、教育。しかも、個別に四則演算や歴史を学ぶような教育ではなく、価値観を多様化しながら相対化する集団教育だ。軍隊や国家警察を機能させるために、集団教育が必要であり、この機能により、ある程度民間の暴力機構を抑止する効果を生む。この循環を強いてさせなかったのが、白人支配の在り方であったろうか。
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- 感想投稿日 : 2018年9月8日
- 読了日 : 2018年9月8日
- 本棚登録日 : 2018年9月8日
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