水の眠り 灰の夢 (文春文庫 き 19-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (1998年10月9日発売)
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本棚登録 : 1182
感想 : 136
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桐野夏生にはまったので、比較的旧作にも手をつけてみたが、ストーリー展開の緻密さと登場人物のリアリティは昔からの筆力か、更にはテーマがトップ屋たちライターの世界。作家には得意のジャンルでもあったのだろう。一つの事件を追いながら、自らの身の回りに起こる事件と少しずつ重なり、戦後初期を舞台に、物語りはハードボイルドミステリー仕立てに展開。面白くないわけがない。

桐野夏生はグロテスクとか残虐記でも、ノンフィクションをなぞった小説を書いているが、そういった著作では、犯人の人間性を多面的に分析して描く必要があるため、特に著者の良さが出るのだろう。これが出来ない作家は、登場人物の年齢やIQの違いをキャラ設定を露骨に表すことで表面的にしか描けず、深みがない。まさに才能だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月2日
読了日 : 2017年12月2日
本棚登録日 : 2017年12月2日

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