一億円の横領をした銀行員の女性が破滅に向かっていく話。
犯人である梅澤梨花が犯罪に手を染めるまでの、そして犯罪後の心理状態が事細かに描写されている。
まるで自分が犯罪を犯したような気分になり、なかなか読み進めるのが辛かった。
化粧品を買うのに手持ちのお金が足りず、集金した五万円を当ててしまう。職業的倫理観という高い高いハードルが一気に引き下げられてしまった瞬間。胸が締め付けられるような苦しさで、本を置いてしまった。
作者である角田光代さんは、どうしてこんな細部まで描写することができるのだろう?本当に凄い作家だと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月16日
- 読了日 : 2021年5月16日
- 本棚登録日 : 2021年5月16日
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