紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2014年9月13日発売)
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本棚登録 : 8118
感想 : 870
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一億円の横領をした銀行員の女性が破滅に向かっていく話。

犯人である梅澤梨花が犯罪に手を染めるまでの、そして犯罪後の心理状態が事細かに描写されている。

まるで自分が犯罪を犯したような気分になり、なかなか読み進めるのが辛かった。

化粧品を買うのに手持ちのお金が足りず、集金した五万円を当ててしまう。職業的倫理観という高い高いハードルが一気に引き下げられてしまった瞬間。胸が締め付けられるような苦しさで、本を置いてしまった。

作者である角田光代さんは、どうしてこんな細部まで描写することができるのだろう?本当に凄い作家だと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月16日
読了日 : 2021年5月16日
本棚登録日 : 2021年5月16日

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