繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)

  • 早川書房 (2010年10月22日発売)
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感想 : 51
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悲観的な主張が、メディア・世論を牛耳っている。「未来は明るい」なんて、声を大にして言えない空気が蔓延している。
この本を突き動かしているのは、「楽観主義」。言い換えれば、酸性雨や食糧難など、実際のデータとはかけ離れた予測で人びとを恐怖に陥れてきた「悲観主義」への筆者の怒りであり、挑戦なのだ。
読後感はとてもよい。「楽観主義」には、人に前を向かせる力がある。「悲観主義」はあきらめしか生まない。あきらめからは何も生まれない。人が前を向き、テクノロジーの発展を止めたら未来はない。
世界の厳しい現状と、未来への絶望しか子供たちに伝えられない世界より、「“地球温暖化”だって“アフリカの現状”だってきっと解決できる。未来は明るいんだよ。君たちがもっとテクノロジーをつないで、すばらしい未来を作っていくんだ。」そう伝えられるほうが、どんなにいい世界だろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2012年1月28日
読了日 : 2012年1月28日
本棚登録日 : 2012年1月15日

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