神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2003年7月19日発売)
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感想 : 69
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神聖ローマ帝国は、世界史を勉強していて結局よくわからない一つだと感じている。「神聖」で「ローマ」で「帝国」である、と3つの概念が合わさってしまうことが本来は素通りできないことを改めて認識し、さらにドイツ王、イタリア王、神聖ローマ皇帝と3つの位があり、さらには皇帝選挙に領域外からも参戦することに違和感を持ち続けながら読んだ。教科書にはざっくりしか書かれていないことで、「いつからそうなっているのか?」「その後も変わらず続いているだろう」と疑問や推測だったことが、この新書の細かな部分で、少し腑に落ちたところも多い。ハプスブルク家が最初に皇帝に選出されるところも、他の力を持つ諸侯たちの牽制の結果であり、いかに諸侯の思惑が入り乱れる国かを表している。
それに世界史ではあまり取り上げられないが、シチリア生まれのフリードリヒ2世はやはりもっと注目されてもいい人物だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2022年8月2日
読了日 : 2022年7月30日
本棚登録日 : 2022年7月30日

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