年をとってから振り返ると、
中学生や高校生時代の悩みなんて、
取るに足らないことだったと思う。
その時は深刻で、
世の中が終ってしまうほど悩まされたのに、
もっと大変なことがあると知る。
ただ大人になった後の悩みだって、
客観的にみたら大したことがないのかもしれない。
ただその時々、心が囚われ閉じ込められるだけだ。
だから中高生が感じる悩みが、
大人ののものに対してちっぽけだとは言わない。
長い目で見ればどちらもちっぽけだし、
その時で見ればどちらも深刻なものだ。
そして同じく、大人の恋愛に対し、
中高生の恋がままごとだとは限らない。
中高生であっても、魂の震える交流はある。
お互いの存在価値をぶつけ合う想い、
というものはあり得る。
この物語の二人は、恋愛経験に乏しい。
互いに恋愛とすら認識していない。
それでも二人の交流は眩しい。
二人は魂を賭け日々を懸命に生きる。
だからこそ傷つきもする。
自分を傷つける行為を
軽く笑い飛ばすことができない。
真剣だからゆえ、深く深く傷つく。
自分と闘い、世の中の理不尽と戦う。
独りだ。
圧倒的な独り。
だからこそ魂が共振する。
深いところで結びつく。
二人を見守りたい。
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- 感想投稿日 : 2022年4月18日
- 本棚登録日 : 2022年4月18日
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