久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった

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  • 世界文化社 (2017年9月13日発売)
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感想 : 54

刊行当時に読んで以来の再読。

言葉を紡ぐのが巧い人の自分語りは楽しく、また記述の何点かについて価値観倫理観に照らして「?」と感じること自体を久米氏が内心喜んでると思うと、掌の上のようで悔しくもあり。

『Nステ』が普及させたコメンテーターというシステムについて、ここ数年になって、専門家でもないタレントが報道内容に口を挟むことに疑問が呈されることが増えてきた。
『報ステ』の放送期間が『Nステ』を超えた今になって、ようやく『Nステ』の前例から一歩未来に進みかけているのかな、と思ったりもします。

昔少しだけかじった演劇理論でいえば、人が予想外に直面した瞬間の今・この場所で起きること=「ハプニング」を常に新鮮に提示し、あわよくば視聴者(そして読者)にも同じハプニング体験を投げかけようとするのが、『ザ・ベストテン』『TVスクランブル』『ニュースステーション』を通じた久米氏のスタンスだった。
これって、現代におけるYouTubeで(ライブでも動画でも)最も視聴者を惹きつける瞬間なんですよね。テレビからネットへとメディアが移っても、人が見たいものは本質的にはさほど変わらないのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月27日
読了日 : 2023年7月27日
本棚登録日 : 2023年7月27日

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