SFで有名な星新一が訳してます。
絵本やアニメで読んでいたり見ていたり、おばあちゃんとかからお話として聞かされていたりするので、ついつい読んだ気になっているものの一つ。
そのせいで無夜の中ではかぐや姫の神格化が凄まじかったのですが、原文を読んで見ると、かぐや姫って生っぽい(なんというのか、普通っぽい??)です。
貴公子五人に無茶な品をねだり、それをそのうちの一人が約束の品(蓬莱の玉の枝)らしいものを持ってくると、頬杖をついて、がっかりします。きっと上品に書いているだけで、内心「ちっ」とか舌打ちしてそうです。それが偽物だとわかると、にっこりと笑う。枝を突っ返す時に悪戯心で和歌を送る。嫌味が籠っている。
心理描写も凄いんですよ。
貴公子の元妻(かぐや姫のせいで夫に離縁された)が、元夫が貢物探しに失敗したと聞くと、腹を抱えて笑うんですよ。そういうちょこっとしたところが、本当によく出来てます。
現代語訳が最初に、後に原文があり、原文は下に注釈があるので資料として便利な一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史物
- 感想投稿日 : 2011年5月24日
- 読了日 : 2011年5月24日
- 本棚登録日 : 2011年5月24日
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