フリーター、家を買う。

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年8月1日発売)
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本棚登録 : 8369
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フリーター、家を買う。ドラマ化もされていたようですが機会を逃して見ることができずにいて、本作の方も今日やっとめぐりあえたこの一冊。
この作品は、フリーター・武誠治が語る家族の物語です。フリーターとしてなかなか自堕落な生活をおくっていた誠治が、母・寿美子が重度の精神の病気に蝕まれていたことを知り、生活を一変させます。
私自身、最近両親が離婚という言葉が(する訳ではないとしても)出てくるほどの大喧嘩を繰り返していて心がざわついていたので、崩壊を目前にした武家の描写を読むと涙がこぼれそうになりました(寿美子の病気の原因は夫婦の不仲ではなかったのですが)。
愛する家族が(物理的な意味でなくても)離ればなれになってしまうことは、誠治にとっても、私にとっても、私の家族にとっても、おそらくはこの世界中の人にとって、とてもとても、つらいことです。
頭が混乱していて、とてもまともな文章を組み立てられそうになくて、文章がハチャメチャなことになっていると思います(´ω`;)
それだけ、『考えされられる』本でした。
そして、頑固な父・誠一に、悩み苦しみながら前へ進もうと足掻く誠治に、長く自身の心と葛藤してきた母・寿美子に、誠治と部下・真奈美に芽生えた小さな恋に、最後に、放り出したくなる現実と日々葛藤し生きている私たちに、あたたかく小さなエールをおくり、幕を閉じたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年11月10日
読了日 : 2015年11月10日
本棚登録日 : 2015年11月10日

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