太平洋戦争 日本の敗因3 電子兵器「カミカゼ」を制す (角川文庫 ん 3-14)

制作 : NHK取材班 
  • KADOKAWA (1995年7月10日発売)
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感想 : 16

1995年刊。

 NHKの傑作TVドキュメントシリーズの文庫化。本巻は科学技術と精神主義の観点から太平洋戦争を切り取る。

 日本においては科学技術や技術者を軽視する傾向にあり、例としてレーダー開発の差がそれに相当するという。

 また、科学技術の軽視の帰結の一として、他国との技術力の差が発生したという。
 例は航空機エンジン。また、技術力の劣後が、防御軽視思想を生み、戦闘機の構造・VT信管・高角砲大量配備という差になって現出したというのだ。
 結果、大和魂を強調せざるを得ない。

 かかる工業力差と悪循環が、戦前における対米戦争研究のシナリオ的には決戦と位置づけられるであろうマリアナ海戦における、七面鳥打ちに帰結。多くの搭乗員・機材・物資を失い、完敗した。
 もう少し、謙虚に、より正確には、自らの限界を知るべきであった日本は、対米開戦してはならなかったのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年1月2日
読了日 : 2017年1月2日
本棚登録日 : 2017年1月2日

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