機動戦士ガンダム 2: SF (ソノラマ文庫 82-B)

著者 :
  • 朝日ソノラマ (1980年9月1日発売)
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感想 : 3

1980年刊行。全3巻中の2巻。

 「なんて情けない子だろう!あたしは、あんたを、そんなふうに育てた憶えはないよ」
 「何を言うんだ!あなたは僕を育てはしなかったよ!僕は一人で大きくなった。父さんだって仕事一辺倒で僕の面倒をみてくれなかった。僕は一人で大きくなったんだよ!」/

 「夢だったのです。怖い、不潔な…」アムロはどもってみせた。
 「不潔?」クスコ・アルの…瞳がアムロをのぞきこんだ。”成功だ!”不潔という生理的な言葉が、クスコ・アルの感性の足元をすくったのだ。
 「母が男と寝ていたんです」アムロは言った。/

 ”この女の肌が、男に間違いをさせる!”アムロはそう思いつつ言った。
 「降りて下さい」「少尉…」クスコ・アルは言葉をのんだ。「どうせ僕は青二才です。あなたのお相手はつとまりませんから…降りて下さい」

 アムロは逆流する光の流れをみたのだった。
 ”やめて下さい!や、め、て!”クスコ・アルが見たものがアムロに見える。
 クスコ・アルの美しい母の腹部に銃剣がつきたてられた。連邦軍の兵士のようだった。…”豚ァッ!!”最後にアムロが見たものは兵士の…だった。

 これはもはや少年の物語ではない。アムロ、大人である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年12月7日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年7月8日

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