2つの対照的な家族像を散りばめながら、少年の孤独感を乾いた展開で描く。
能力こそ全てという棋界に生きる父が齎した異分子。それは父以上に天賦の才を有する少年。その才能のみならず、自らは受け得なかった父の愛を受ける少年への嫉妬が生み出したのは、彼への憎悪の眼差しとその心を差し込む刃。結果、生み出されるのは少年の孤独と絶望。
一方、父母を亡くした三姉妹は、姉の苦界(厳密には違うが、危うい境界線にいるのは確か)での稼ぎを糧にしつつも、暖かな心を寄せ合い生きていく。
絶望と希望の2つを感得した少年の逡巡が痛々しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2016年12月10日
- 読了日 : 2014年9月23日
- 本棚登録日 : 2016年12月10日
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