本編どおりのプロットで物語は展開していく。第2巻たる本巻は、さやか編。悪と向き合い続けるしかない人生、その悪の誕生に助力しなければ、自らが人間の理性を持って生きてはいけないという葛藤、誰もその悲しみを共有してもらえない孤独、唯一の願いと願いと引き換えにした恋の喪失、悲しみを友に理不尽にぶつけてしまう悔恨、人として、女の子としてかけがえのない肉体を喪失した悲哀。こんな悲哀に満ち、絶望していく過程をこれでもかこれでもかと描く。そして、まぁ、キュウベエの怪しいこと怪しいこと…。本編よりも明快。
アニメーションは、謎の存在であったインキュベーターだが、本書の読者は本編視聴組が多いはずなので、この明快な描写は悪くないと思っている。声優さんの演技や、カッテイグだけにとどまらない画の動きで表現できるアニメーションとは違い、マンガは絵の構図と画のみで表現しなければならないのだから、この程度のあからさまさは許容範囲。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2017年1月22日
- 読了日 : 2017年1月22日
- 本棚登録日 : 2017年1月22日
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