ゴーサム・カフェで昼食を (扶桑社ミステリー ク 12-1)

制作 : マーティンH.グリーンバーグ 
  • 扶桑社 (1996年5月1日発売)
3.36
  • (4)
  • (0)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 3
3

離婚の危機を迎えた夫婦が、協議の席を設けたカフェで遭遇した惨劇を描いたS・キングの表題作、カード会社のミスなのか別名で届いたDM。ほんの悪戯心で“別名”でカードを作った主人公が迎える破滅『ロー・バーグ』、まさしく激しいSM愛の世界を描いた『痛悔者』、整形手術により美しい顔を手に入れた男と、初恋の女性との歪んだ愛憎の軌跡『全ての終わり』等々、サブタイトルの“22の異常な愛の物語”の如く「異常な愛と欲望」をテーマにしたアンソロジー。

恋愛、エロス、あるいはセックスとホラーの関係についてはよく語られていることであるし、恋愛やエロスを軸にしたホラー・アンソロジーが数多く編纂されていることでも、恋愛と恐怖というのは遠いようで実は非常に近いところにあるということがわかる。現実の血生臭い事件の原因は痴情のもつれから、なんてニュースは(実は恐ろしいことだけど)日常茶飯事になってしまっているし。それは「可愛さ余って憎さ100倍」という言葉で単純に言い尽くせるものではないのだろう。
「震える血」シリーズ(祥伝社文庫刊)ほどではないが、数編ほどかなーり露骨な内容や描写のものもある。R18指定かも……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ホラー/怪奇幻想
感想投稿日 : 2010年4月17日
読了日 : 2010年4月17日
本棚登録日 : 2010年4月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする