見知らぬ妻へ: 傑作小説 (光文社文庫 あ 29-4)

著者 :
  • 光文社 (2001年4月12日発売)
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本棚登録 : 1076
感想 : 85
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この短編集は全話主人公が孤独であった。孤独となってしまったのか孤独を選んだのか。どうであれ人は結局孤独であるのだと痛感した。
自分のため、他者のため、理由はどうであれ人は孤独であるのだろうと感じてしまう。
さらにこの短編集に出てくる人物はみな自分で望んで孤独になっている。なんとも切ない感情が湧いてくるが生きている中で誰しもが同じような経験をするのではないかと思っている。


「踊り子」
相手の全てを知らずとも愛は存在するのだと感じさせられた
「スターダストレヴュー」
私の読解力がないのだろうが、最後主人公は自分の手を切り落とそうとしたのだろうか?才能のある自分の手を切り落としてもいいと思ってしまったのだろうかと疑問が残った
「うたかた」
おばあさんは自身納得のいく死であったのだろう。ただ第三者から見たらとても切なさが残る
「金の鎖」
強い女なのか強く見せるのが上手い女なのか。本人がどう思っていようが他者から見たら彼女は強い女だった。私もそうなりたいと思った。
「見知らぬ妻へ」
この短編集の中で1番心が動かされた。鉄道屋の中のラブ•レターににたような感覚になった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月21日
読了日 : 2024年2月21日
本棚登録日 : 2024年2月19日

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