久々に強烈な読後感を味わっています。
「杉山百合江」を中心に、彼女を取り巻く親兄弟、そして彼女を時に支え、突き放す男性達。時代を行き来しながら、その登場人物の誰しもが腹に抱えるものを持ち、また心の弱さを持ち合わせながら、陰鬱な雰囲気を終始漂わせ物語は核心に迫っていく。
道東に足を運ぶ機会の少なくない私としては、あまりにも描写が生々しく、正直、途中読み進めるのが辛いほどだった。
題名である『ラブレス』…(愛のない)というのは、ここに登場するキャラクター達を象徴しつつ、最後はハッピーエンドではないが、細やかな充足感で終わる事で決してラブレスでは無かったことを敢えて対比的に題名にしたのではないだろうかと考えた次第です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年12月9日
- 読了日 : 2017年12月9日
- 本棚登録日 : 2017年12月9日
みんなの感想をみる