十牛図 (ちくま学芸文庫 ウ 2-1)

  • 筑摩書房 (1992年11月1日発売)
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本棚登録 : 143
感想 : 12

とりあえず上田閑照の分だけ読了。まずは十牛図に沿って、その後にとりわけ第八図〜第十図を中心に円相の境地や、それをヨーロッパの思想として比較して位置づける。
有の否定であるだけでなく無の否定ですらある絶対無。追いかける自己と捉えられる自己の合一とそこからの消滅。そのうえで自ら紅しといった境地。
例えば神秘主義、あるいは詩人、あるいは否定神学やニヒリズムとも比較される。禅はそれらと比べて徹底的な無とされる。(詩も「〜ゆえ」があるし、否定神学もあらゆる否定の裏に神が絶対視されている、など)
まだ理解が甘いのでまた折を見て何度か読み返したいものだ。自分にとって、自己の問題も無の問題も非常に重要なところではある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年6月22日
読了日 : 2012年6月21日
本棚登録日 : 2012年6月22日

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