再読。常野シリーズ第2作。農村の自然の風景が色鮮やかに描かれ、どの場面も一枚の絵のようにくっきりと浮かび上がってくる。そしてその美しく懐かしい景色の中に、それぞれの登場人物がふわりと溶け込んでいる。魅力的な人々が、ラストに戦争という嵐の中でどんな結末を迎えてたかが淡々と触れられていて、それがより虚しさを感じさせる。泣きました。「この国をつくっていくことができるのか、それだけの価値のある国なのか」という主人公の終戦直後の問いかけを、現在再び投げかけてみれば、どんな答えが返ってくるのだろうか。
読書状況:読み終わった
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恩田陸
- 感想投稿日 : 2015年3月31日
- 読了日 : 2015年3月31日
- 本棚登録日 : 2015年3月31日
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