再読。いいタイトル。祖父にも息子にも孫にも、外に家がある。本当の親子関係は何一つうまくいかない。それでも向田さんはこの家族をバラバラにする結末にはしない。季節外れの運動会を終えて、もとの家族のところに戻ってくる。普通ならこんな都合のよい結末をつまらなく感じてもおかしくないのに、向田さんが描くと家族ってそうやって続いていくものだよなと自然と思えてくる。ラストに至るまでの登場人物の細やかな書き込みが結末の自然さを生み出すのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
向田邦子
- 感想投稿日 : 2020年5月9日
- 読了日 : 2020年5月7日
- 本棚登録日 : 2020年5月9日
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