陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年7月10日発売)
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本棚登録 : 2101
感想 : 132
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夢枕獏の「陰陽師」の短編「鉄輪」の長編化です。
「鉄輪」は、「陰陽師」のなかでも、特に大好きな作品です。
特にあのなんともいえない、美しいラストシーンは、ずっと心に残っておりました。

ということで、この長編化された作品も、前から読みたいなぁと思っていたわけです。

短編と長編の違いは、源博雅と生成り姫の関係がありますねぇ。
長編は、恋愛関係っぽくなっています。
あんまり恋愛色のなかった短編は、博雅の「いい人」ぶりがメインでしたが、長編の方は、鬼に変わっちゃう姿を見られた姫の苦悩がより濃く出ていると思います。

それでも、長編でも、「そなたが愛しいのだよ」という博雅の優しさは健在です。

相撲の話も、最後の最後でつながって、わたしは、思わず「うまい」といってしまいました。

やっぱり、最後の博雅と姫のやり取りは泣けました。
安部晴明の話というより、これは、源博雅のお話なんだなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2008年8月22日
読了日 : 2009年12月24日
本棚登録日 : 2009年12月24日

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