怪談人恋坂 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2002年1月25日発売)
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本棚登録 : 250
感想 : 22
3

あっという間に読み終えてしまう程度には面白かったです。
主人公郁子の出生には秘密があって、高校1年生となり真相を解き明かそうとするうちに身近な人が次々と亡くなっていく。時を同じくして9歳の時に亡くなった姉であり、母である裕美子が幽霊ながら暗躍し自身の死の秘密と郁子の父親を見つけ出そうとしていく復讐劇でもある。

郁子の出生が核になっているようですが、大半はもつれにもつれた藤沢家とその周辺の愛憎劇でした。
誰も彼もが腹に一物を抱え込み、怯え、憎しみ、凶行と走って行く。たどり着く先は悲劇のみで救いは微塵も用意されていなかったです。
そこに比重が置かれていたせいか出生の秘密を探るというあらすじには首を傾げてしまう。出生はおまけのような扱いとまでは言いませんが、途中で話題にも出ずギリギリで明かされ……。うーん、因果な家族ですね。

それはさておき赤川作品の特徴なのか、主人公は出会ってすぐに異性と恋人関係になりますよね。恋愛小説じゃないので仕方ないとは思いますが勿体ないなー。ワンパターンになってしまっていてそこはつまらないです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2015年8月18日
読了日 : 2015年8月18日
本棚登録日 : 2015年8月18日

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