友情 (岩波文庫 緑 50-4)

  • 岩波書店 (2003年3月14日発売)
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思ってたよりずっと読みやすかった。

「恋は画家で、相手は画布だ」など大宮と野島の恋愛観が面白かった。大宮は肉欲と恋の2軸で話しているが、私は恋と愛の2軸であると思う。
恋とは与えられることを望むことである。野島や杉子に求婚する男は杉子を愛していたのではなく恋していたのだろう。また、野島が大宮に抱く友情は恋に近いような気がする。一方で大宮が杉子や野島に向ける想いは愛に近いと思う。

最終的に野島は独りになってしまうのだがその結果は野島を仕事により一層奮い立たせることとなった。友のもつ力を信じ、友の歩むべき道に導くのが本当の「友情」であり、野島と大宮はその友情のもと今後も互いの人生を懸命に生きるのだと思う。野島には力強く生きてほしい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月11日
読了日 : 2022年8月11日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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