「爪を噛む女」「団地の女学生」の二編。前者は昔の友達が有名人になっているのに自分は冴えない毎日・・・。みたいな劣等感や嫉妬に苛まれる都の気持ちが描かれる。現在の介護士という立場で接する老人達。手を尽くして育てた息子からは全く世話にならずに孤高を通す香代さんだったりかつてはそこそこの脚本家だったというお爺さんの人生が差し込まれている。香代さんの意外な趣味には人間の奥深さが。後者も、年老いた老女が昔自分に思いを寄せていたひとつ年上の男性を故郷に訪ねる物語。同行するのは同じ団地に住む世話好きのミノちゃん。ここでも年老いた人たちの哀しみや胸に秘めた熱いおもひでが描かれている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2010
- 感想投稿日 : 2010年6月26日
- 読了日 : 2010年6月17日
- 本棚登録日 : 2010年6月16日
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