世界史上の事件でどうスパイが暗躍してきたのか?
がまとめられています。
スパイモノが好きな人には特にオススメ。
冒頭の、「世界最古のスパイは誰か」という記載や、
『孫子』に記載されているスパイの種類、
外交とスパイが表舞台に現れた時期がなぜ一致するのか?など、
スパイの総論的な記述が大変面白いです。
また、個人的には、まとめの、以下の文章が大変グッと来ました。
以下引用します。
<インテリジェンス>が知識を表すとともに情報、諜報、スパイなどをも意味することは、見たり、知ったりすることのうちに、すでに<のぞき>が入っているのを示している。<インテリジェンス>には知的能力と、<のぞき>、人間の本性の高貴さと卑劣さが含まれている。その人間らしさが面白い。だましたり、だまされたり、裏切ったり、裏切られたり。その人間悲喜劇に、私は見とれてしまう。
引用はここまでです。
この文章、
知りたい、という気持ちの、
危うさ、尊さの両方をすごくよく表してると思うんですよね。
後、こういう、ちょっと仄暗い領域に
心惹かれることも僕はすごく共感してしまうんです。
(あまり胸を張っていえることじゃないですけど)
さて、ここまでほめ通しですが、 笑、
中盤の歴史上存在した(とされる)スパイを、
時系列に並べている各論の個所は、
単純に情報の羅列、という感じで、正直退屈です。
新書などによくある、最初とまとめは面白くって、
中盤は事実の羅列、という感じの本でした。
この中盤は、
興味がある個所以外は読み飛ばしても問題ないかもしれません。
(事実の羅列系は、興味が無いと絶対すぐ忘れちゃいますしね)
ただ、僕にとっては、最初と最後だけでも
「買った価値があった!」
と言える本でした。
スパイに興味があったらぜひ!
- 感想投稿日 : 2012年9月16日
- 読了日 : 2012年9月16日
- 本棚登録日 : 2012年9月16日
みんなの感想をみる