英語はいらない (PHP新書 136)

著者 :
  • PHP研究所 (2000年12月1日発売)
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感想 : 8

年齢・性別・職業・人種など様々な社会層や場面における言語を研究する「言語社会学」を半世紀に渡って極めた巨匠で、評論家としてのデビュー作・『ことばと文化』(1973/岩波新書)で知られる鈴木氏は昭和元年の生まれ。終戦後に慶応の医学部を卒業するが、文学部に編入して言語学者の道を選んだというユニークな経歴である。英語があたかも世界の公用語のように広まったのは言語として習得しやすかった為ではなく、17世紀以降に世界の海を制覇した大英帝国や、戦後の国際世界をリードしたアメリカがその軍事力と経済力によって言語までも支配した結果であるとし、これからの日本は「言語大国」となって日本語を世界に普及すべしという理論を展開する。「英語をマスターする」ことを目的とする学び方ではなく、「内容を伝えるための英語」を学ぶべきとし、昨今言われている「第二公用語」としての英語など全く不要と切り捨てる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英語でイングリッシュ!
感想投稿日 : 2020年12月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年6月24日

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